VDCとは米国生活必需品ETF(バンガード・コンシューマー・ステープルズETF)といいます。P&G,COKE,コストコなど生活にとって必需品となる100銘柄への投資を目指すETFです。
・普段利用しているシャンプーや洗剤などを利用していて欠かせないものに投資をしたいと考えている方
・不景気時にもパフォーマンスを維持できる銘柄に投資をしたいと思っている方
・金融ショック時にも株価が下がりづらい銘柄に投資をしたいと検討している方
P&Gのシャンプー、コカ・コーラ飲料、コストコなどどれもいつも利用していて、間違いなくこれらの銘柄は伸びていくと思っているんだけどどうだんだろう。
VDCは米国の生活必需品を提供している会社の銘柄に集中投資をしていて、金融ショックにも株価は下がりづらく景気後退時にも業績が落ちない銘柄として有名です。我々にとってVDCは身近な銘柄で集められているので安心して信じて長期に持っていられるETFではないでしょうか
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VDCとは?
VDCとは、 米国生活必需品ETF(バンガード・コンシューマー・ステープルズETF) であり、その名の通り、生活にとって欠かせない必需品を提供する100銘柄を投資対象とするETFになります。
下記、VDCの概要についてお伝えします。
設定日:2004年1月26日
純資産額:58億ドル(6380億円)
経費率:0.10%
セクター別割合:食料品&タバコが29%、家庭用品が24%、清涼飲料水が23%、食品&薬品小売りが15%と非常に生活必需品に関して幅広く分散されております。
組入銘柄割合:P&Gが13%、コカ・コーラが8%、ウォルマートが8%、ペプシが8%、コストコが6%と総合生活必需品メーカーと清涼飲料水メーカー、スーパーチェーンを含めて50%近くを占めています。フィリップモリスやアルトリアといったタバコ産業も8%近くと嗜好品も入っていることは特徴ですね。
家庭用品、清涼飲料、スーパーマーケットと景気が悪くなっても家に住む限り、売り上げが落ち込まない業種が並んでいますね。また米国の生活必需品セクターの企業は、米国以外の国や地域でビジネスを展開しています。世界的に人口が増えることが間違いないので、毎年の売り上げが着実に伸びるのは確実といえます。
VDCのメリットとデメリット
次にVDCのメリットについてお伝えしたいと思います。
VDCのメリット
下記は、コロナショック時における生活必需品ETFのVDCと全米投資ETFのVTIの比較チャートになります。
2020年3月のコロナショック時を見ると、VTIが34%下落に対して、VDCは、25%程度の下落で留まっています。
その後は、VTIが盛り返してきておりますがショック時に関してはVDCはかなり下落率は押さえることができるため安心して持ち続けられる銘柄といってもいいでしょう。
VGT(テクノロジーETF)、VCR(一般消費財ETF)などと同様の経費率0.1%で比較的長期で持つには低い経費率となっている。
高配当で有名なアルトリアやフィリップモリスといった嗜好品タバコ企業が入っていたり、連続配当を何年も達成しているP&Gやコカ・コーラなどがあるため配当率は他のセクターETFよりも高めに設定されています。
逆にVDCのデメリットについてお伝えしたいと思います。
VDCのデメリット
下記は、VDCとVTI,VOOと比較した5年の株価チャートになります。
あきらかに、VDCは、VTIとVOOに対してアンダーパフォームしていることがよくわかります。
ここはやはり、IT系企業は入っていないため大幅に成長するドライバーがないため、パフォーマンス面で負けてしまうところがある。景気が後退しているときや、金利が下がっているときはこうした生活必需品系は着実に上昇していくといった動きになる。
VDCのデメリット部分は注目すべきところだと思います。IT(テクノロジー)が入っているかどうかでこれほど大きな成長率に違いがでることです。金融相場や業績相場ではVDCは弱く、逆に景気が悪くなり金利が低くなる悪環境下では、常に利用しつづける生活必需品の底力が発揮されるところであり、こうしたときは常に持ち続けることで投資成績をあげるきっかけになるかもしれません。
VDCとVCR(一般消費財)、VHT(ヘルスケア)、VGT(テクノロジー)を比較する
VDC(生活必需品)については、その他同じバンガード社の優良なETFである VCR(米国消費財)、VHT(ヘルスケア)、VGT(テクノロジー) について比較をしたいと思います。
VDC(生活必需品) | VHT (ヘルスケア) | VCR (一般消費財) | VGT (テクノロジー) | |
設定日 | 2004年1月26日 | 2004年1月30日 | 2004年1月30日 | 2004年1月26日 |
純資産額 | 58億ドル | 161億ドル | 66億ドル | 500億ドル |
経費率 | 0.10% | 0.10% | 0.10% | 0.10% |
配当利回り | 2.19% | 1.09% | 0.49% | 0.56% |
主要投資先 | P&G(13%) | J&J(7%),UNH(6%) | Amazon(20%)、Tesla(10%) | Apple(20%),Microsoft(15%) |
10年平均リターン | +15.8% | +20.8% | +23% | +26.5% |
左から順番に、純資産額が大きくなり、逆に配当の利回りは大きい順から右へ小さくなります。
左のVDCは配当重視、右のVGTは成長重視といった見方ができるかと思います。また左の長期増配安定株は昔からの重厚なバリューをもつ企業が多く、右の方は、GAFAMやテクノロジーの割合が高いことで成長リターンが高いものとなっています。
下記は、VDCとVGT,VCR,VHTを5年株価チャートで比較したものです。
綺麗にそれぞれがパフォーマンスとして上から順番に並びましたね(笑)
VGTはMicrosoftとappleを30%近く持っており、かつハードテクノロジーに重心を置いていることもあり、パフォーマンスは一番よいですね。次にAmazon20%を持っているVCRで一般消費財としての景気連動型の強さを表しています。その次がVHTでGAFAMは入ってませんがそこそこのパフォーマンスを出しています。最後にVDCですが、パフォーマンスは他の3つのETGに負けますが比較的高い配当金を支払いながら安定した株価の伸びを見せています。
こうしてセクター別で比較すると成長重視(グロース)か配当重視(バリュー)かの比較がよくわかります。その中でもVDCはバリュー株に近いETFであり、安定しているためよりコアの領域を固める際にはもっておきたいETFであると感じました。
下記、VCR(一般消費財ETF)、VHT(ヘルスケアETF)、VGT(テクノロジーETF)については以前の記事でまとめておりますので合わせてお読みください。
まとめ:まさに人生における必需品として持っておきたいETFになる
ここまでVDCについて話をしてきましたので最後にまとめたいと思います。
・ VDCとは、 米国生活必需品ETF(バンガード・コンシューマー・ステープルズETF) であり、その名の通り、生活にとって欠かせない必需品を提供する100銘柄を投資対象とするETFになります。
・ VDCのメリットは、 〇〇ショックにも株価が下がりづらく、景気後退時にも業績が落ちない安定した株価の上昇。 経費率0.1%と比較的安いため長期投資には向いている 。 配当率が2.19%と他のセクターETFの中では比較的高い 。
・VDCのデメリットは、 VDCは株価のパフォーマンスではVTIやVOOに負ける
・ VDCとVCR(一般消費財)、VHT(ヘルスケア)、VGT(テクノロジー)を比較する と成長率はどれにも負けるが配当率が一番高く安定しているVDCがバリュー銘柄に近い存在であることがわかり、 投資のコアの領域を固める際にはもっておきたいETFである
株式投資は、攻めと守りの両方を持って投資をしていくことが重要だと言えるかと思います。その中ではVDCは守りの投資に近く、IT系のようにパフォーマンスは大きく出ませんが、暴落に強く景気後退期という長いステージの中でジワリジワリと配当金を出しながらパフォーマンスを出してくれる銘柄だと言えるかもしれません。そういった意味では、投資の人生においてもっておきたい必需品であるかもしれません。ぜひこうしたETFに関しても目を向けて投資の検討をしておけると、投資の幅が広がるかと思いますのでぜひご検討ください。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。