米国のNASDAQを投資対象としたアクティブファンドになります。今回、2021 楽天証券 ファンドアワード 米国株式部門最優秀賞を受賞した三菱UFJ NASDAQオープン Bコースについて本当に価値のあるものなのかを検証してみました。
・NASDAQへの投資を検討しているが、よりパフォーマンスのよい投資信託を探している方
・今後のNASDAQの上昇を見込んでNASDAQ向けの投資を加速させたいと考えている方
・NADAQの中でもより洗練された情報技術、IPO銘柄、バイオテクノロジーなどの商品に投資を検討している方
NASDAQの投資をより攻めたものがあるって聞いたんだけどほんと?
NASDAQ銘柄の中でも、新技術・新製品開発力、すぐれたビジネスモデル、マーケティング力に着目して長期的に成長が期待できる企業に投資するのが「三菱UFJ NASDAQオープン Bコース(為替ヘッジなし)」になります。今回、こちらの商品の価値が本当にあるのか?について調べてみました。
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三菱UFJ NASDAQオープン Bコースとは?
三菱UFJ NASDAQオープン Bコースとは、「NASDAQ銘柄の中でも新技術・新製品開発力、すぐれたビジネスモデル、マーケティング力に着目し、長期的な成長が期待できる企業に投資する投資信託」です。
下記、2021年3月下旬に発表された楽天証券の個人投資家による投票で米国株式部門のアクティブファンドで最優秀タイトルを獲得しておりました。
ちなみに優秀賞を獲得しているnetWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし)とアライアンス・バースタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)については以前ご紹介していることもあり合わせてご確認ください。
下記は、三菱UFJ NASDAQオープン Bコースの概要についてまとめました。
設定日:1996年8月1日(償還日:2026年7月31日)
純資産額:226億円
信託報酬率:1.672%
組入銘柄TOP10:マイクロソフト8%、アマゾン8%、グーグル7%、アップル6%、Facebook 4%と約30%程度がGAFAMで構成されています。NASDAQ100が40%程度のためGAFAM比率は低い方ですね。
銘柄の選定基準については以下のようになっています。
約50銘柄程度に絞られているようです。成長性だけではなく、割安だという部分も加味してポートフォリオ形成しているようです。
設定日が1996年ということで、すでに25年ほど経過のある投資信託になります。25年で純資産額が226億円というのはなんとも寂しいものです。
下記が基準価格と総資産額の推移になります。
純資産額が積みあがっていないことがこの推移から読み取れます。基準価格においてもITバブル時につけた値を現在やっと到達したぐらいになっています。
三菱UFJ NASDAQオープン Bコースのデメリット
逆に三菱UFJ NASDAQオープン Bコースのデメリットについてお伝えしたいと思います。
三菱UFJ NASDAQオープン Bコースのデメリット
下記は、過去1か月から設定来までの騰落率を示した表です。
ファンド:三菱UFJ NASDAQオープン Bコース
参考指数:NASDAQ100指数
になります。
こちらを見ていただければわかるように、パフォーマンスは指数とほぼ差がない状況になってしまっています。普通にNASDAQ100を購入するのと変わりがない可能性が高いです。
基準価格も、NASDAQ100は大きく上がっているものの、三菱UFJ NASDAQオープン Bコースはそこまで基準価格が上がってはいません。
償還日とは、投資信託の場合は運用が終了する日のことをいいます
通常、償還日は無制限のものが多いのですがこの三菱UFJ NASDAQオープン Bコースは償還日(終了日)が2026年07月31日までと設定されています。
通常信託報酬率1%を超えてくるものはリターンの高さが大きいものです。しかしこの三菱UFJ NAtSDAQオープン BコースではリターンはNASDAQ100よりも劣る状況のため信託報酬1.672%は高すぎると言えるでしょう。
通常多くの投資信託が100円から購入可能ですが、三菱UFJ NASDAQオープン Bコースは最低申し込み金額が10000円からハードルが高い。
こちらの三菱UFJ NASDAQオープン Bコースは、メリットを感じにくい商品のためデメリットだけ出してみました。多くのデメリットが並びました。独自に銘柄選定しているとはいえ、かなり厳しいパフォーマンスレベルだと感じざるを得ません。
3.三菱UFJ NASDAQオープン Bコースと人気のiFreeNEXT NASDAQ100インデックスファンドを比較する
三菱UFJ NASDAQオープン Bコースと人気のiFreeNEXT NASDAQ100インデックスファンドを比較してみました。
三菱UFJ NASDAQオープン Bコース | iFreeNEXT NASDAQ100インデックスファンド | |
設定日 | 1996年8月1日 | 2018年8月31日 |
純資産額 | 226億円 | 312億円 |
信託報酬率 | 1.67% | 0.495% |
償還日 | 2026年7月31日 | 無制限 |
運用年数 | 25年 | 3年 |
1年リターン | 53% | 50% |
下記は過去1年のトータルリターンについて三菱UFJ NASDAQオープン BコースとiFreeNEXT NASDAQ100インデックスファンドを比較したチャートです。
パフォーマンスはやや、三菱UFJ NASDAQオープン Bコースに軍配が上がりますね。でも差はほとんどありません。
三菱UFJ NASDAQオープン Bコースは20年以上前は人気だったかもしれませんが、今やNASDAQ100系の優秀な投資信託はたくさんあり、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスファンドもその優秀な商品の内の一つですね。たった3年しか経過していませんがすでに純資産額は超えており、信託報酬率も0.495%と良心的な価格設定となっています。
まとめ:三菱UFJ NASDAQオープン Bコースはやや残念な商品
ここまで三菱UFJ NASDAQオープン Bコースについて話をしてきましたので最後にまとめたいと思います。
・三菱UFJ NASDAQオープン Bコースとは、「NASDAQ銘柄の中でも新技術・新製品開発力、すぐれたビジネスモデル、マーケティング力に着目し、長期的な成長が期待できる企業に投資する投資信託」です。
・三菱UFJ NASDAQオープン Bコースのデメリットは、信託報酬率が高く、償還日が設定されており2026年には終了する。さらに最低申し込み金額が10000円からで購入しにくいことが欠点です。
・三菱UFJ NASDAQオープン Bコースと人気のiFreeNEXT NASDAQ100インデックスファンドを比較してみると、昨今のNASDAQ100商品の登場が増えてきて信託報酬率の低さや純資産額の積み上がりで優秀な商品が次から次へと出てきている。
今回、2021 楽天証券 ファンドアワード 米国株式部門最優秀賞ということで調べてみましたが三菱UFJ NASDAQオープン Bコースについてはやや期待外れの残念な結果となりました。NASDAQ自体には魅力がとてもあるので今後出てくる様々なNASDAQ投資信託商品に注目をしたいところですね。