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「インフレが続く中で株を買うタイミングを考えている方」
「景気の強さと株価の関係性を知りたい方」
「FRBが重要視しているCPIという指数について知りたい方」
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CPI?? 初めて聞きました。物の価値があがっているインフレの時期に一体何の数値をみて株式投資をしていければよいかしら!?
CPIは、米国の消費者が購入する商品やサービスの価格の変化を表した数値です。物価が強ければその指数は高くなりインフレの度合いは高くなっていることがわかるんだ。
CPIとは?
CPIとは、米労働省労働統計局(BLS)が都市部の消費者が購入する商品やサービスの価格の変化を調査して指数化したものになります。
概要:CPI(米国消費者物価指数:Consumer Price Index)
発表機関:米労働省労働統計局(http://stats.bls.gov/news.release/cpi.toc.htm)
発表時期:毎月13日頃(米国東部時間8:30)、前月分が発表される
CPIの重要性:米国のインフレ率を分析するための最重要指標
内容:
・都市地域の一般消費者世帯が購入する「商品」と「サービス」の総合的な価格の動きを指数化。
・『コア指数』(食品・エネルギー価格除外)が重視したコアCPIという指標もある。
※食品とエネルギー価格は、変動が激しいため除外した数値を出している
・「前年比」ベースの変化率が、基調インフレ率の測定に重視される。
・1982年の物価水準がベースとなっている
・CPI-W(都市部の賃金労働者)・CPI-U(都市部の全消費者)
・年金、メディケア、保険などのインフレ調整に使用される
CPIの構成について
なお、CPIの構成は以下のようになっています。(2021年12月度)
・最も比率が高いのが住宅関連費用(42%)
・次に高いのが交通費用(18%)
・三番目が食料品(飲料含む)(14%)
住宅と移動費用と食料品でおよそ7割を占めています。
実はエネルギーに関してはこのカテゴリーとして入れてはおらず、その代わり交通費用の燃料(ガソリン)、住宅のエネルギー(電気ガス水道)の中に含まれています。またエネルギーコスト自体はCPI全体のカテゴリーの支出にも間接的に反映されています。
コアCPIは、変動の大きい食品とエネルギーを除いた数値になりますが、実際のインフレを感じるには大枠のCPIを考えたほうが理に適っているとも言えます。CPIで最も大きな構成(42%)の住宅関連(住宅価格や家賃動向)については、すぐに反映されるわけではなく徐々にCPIに対して反映されるものでもあるためインフレの強さを見誤まる可能性があるような気がします。
CPIの20年間の累積グラフ エネルギー(石油)需給との関係を探る
また下記のグラフは、2000年~2022年頃までの累積で出した米国CPIの8つのカテゴリーに分けた累計グラフになります。
医療(medical care)は米国が高齢化に進む中で20年近くサービス物価が上昇していることがよくわかります。食品、住宅、交通費も同様に年々物価上昇が合計値では上がっていってます。一方でアパレルの分野は20年前と比べてほぼ物価の上昇はみられないということになります。
下記は、さらに2000年~2022年頃までの累積で出した米国CPIの8つのカテゴリーに水色のエネルギー集計を重ねたものになります。
現在のCPIにおけるエネルギーの割合は7.3%程度とのことです。3.8%が輸送用の燃料(主にガソリン)に使われているそうです。このグラフから、2021年から急激にTransportation(輸送)コストが急上昇しており、エネルギーコストが輸送に与える影響が大きいことがわかります。
インフレの中で注目すべきは、CPIで20%近い構成を占めるTransportation(輸送)であり、さらにいえば、全米ガソリン価格に注目することが重要です。この全米ガソリン価格が上昇すると輸送のコストがあがり、CPIも上がり、エネルギー需要がひっ迫するということがわかります。
全米ガソリン価格の動向をチェック!
下記は、AAA Gas Pricesのウェブサイトで米国最大の自動車およびレジャー旅行の会員組織の公共サービスで発表されるデータです。毎日米国の最大12万件のスタンドを調査して統計データを出しています。
現在、全米平均のガソリン価格が1ガロン=●$ということを知ることができ、どの地域が高くてどの地域が低いのかもわかります。
または下記の集計表は現在と昨日、1週間前、1か月前、1年前の全米平均ガソリン価格を確認することができます。
このサイトで全米のガソリン価格をチェックすることで、今後のCPIへの影響を図ることができ、CPIと株価の関係を予測することができるでしょう。
CPIの推移(1年、25年、60年以上)
CPIを確認するのであればグラフをTRADING ECONOMICSというサイトにある「United States Inflation Rate」というWebページで確認するのが一番わかりやすい。
下記は、1年間のCPIを表したインフレ率(CPI)のグラフです。
2022年6月に40年ぶりにCPIは9.1%を付けました。(7月は減少しています)
下記のグラフは直近25年のCPIグラフになります。
25年間のCPI数値を見ても2021年,2022年がいかに大きなインフレ率の上昇をしているのかがよくわかります。
下記のグラフはさらに60年以上の長期におけるCPIのインフレ率を表したグラフです。
60年単位でのCPIのグラフを見ると、1980年以来の40年ぶりのCPI(インフレ率)の上昇であるということがよくわかります。ちなみに1980年のインフレは、第二次オイルショックといわれていた時期で1978年にOPEC(石油輸出機構)が段階的に原油価格を大幅に値上げした時期で同時に1979年にイラン革命、1980年にイランイラク戦争が勃発しており国際原油価格は3年間で2.7倍にも跳ね上がったそうです。
長期的に見れば、インフレ=サービスや物の価値が上昇することは稀であることがよくわかりますね。2022年は稀にみるインフレの渦中にいるということを意識することで投資の方法というのも変化するのは間違いないですね。
1980年 オイルショック(CPIが最大15%)と2022年(CPI 9%台)の比較
下記は、CPIがともに大きく上昇した1980年 オイルショック→インフレと2022年コロナショック→インフレを比較しました。
1980年 オイルショック→インフレ | 2022年 コロナショック→インフレ | |
CPI(インフレ率)最大値 | 15% | 9.1%(現状) |
状況 | 1973年オイルショック 1979年2月イラン革命 1980年9月イラン・イラク戦争 1980年第二次オイルショック | 2020年コロナショック 2021年コロナから経済再開 2022年2月ウクライナ戦争 |
原因 | 中東地域で勃発した紛争がその要因で原油価格が上昇 | コロナ蔓延からの経済再開でエネルギー需要がひっ迫し、サプライチェーンの混乱、さらにウクライナ戦争によりロシア産原油が制限され需要がひっ迫 |
背景 | 1971年頃に米ドルと金の兌換停止(いわゆるニクソン・ショック) →市場には大量のドル紙幣が流入 | 2020年のコロナショックで金利が低下して量的緩和で市場に大量のマネー供給 |
CPI(インフレ率)上昇への対応 | 当時FRB議長だった、バーンズ議長はインフレを甘くみて失敗。失脚。その後に就任したボルガ―議長が政策金利を20%まで引き上げるという荒療治でインフレをやっと抑えこんだ。 | FRBのパウエル議長が利上げ中。どこまで上げるのかは不明… |
とても1980年と2022年のインフレは酷似しているように見えます。
市場への大量なマネー供給→戦争→インフレという流れはほぼ同じです。
物価上昇は国民の生活を苦しめることになるため、経済において「インフレ退治(インフレ抑制)」は重要で、とことんやらないと収まらない ことがわかります。FRBの力が働きかけるのはまさにここになります。
近年、消費者物価指数の1つとしてよく使われるものに、変動が激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPIと呼ばれるものがある。実はコアCPIの原型というのは、物価上昇をなかったことにしたいというボルガ―議長の前の議長であるバーンズ氏の意向によって作られたものだそうです。
CPIの長所と短所
次にCPIの長所についてお伝えしたいと思います。
CPIの長所
FRBが金利(FFレート)を決める権限を持っており、CPIの数値が上昇すれば、FRBは金利を上げる方向になります。
ゆえに、金利が上がれば株価は下がり、金利が下がれば株価は上がるので投資家のCPIの数値への注目は大きいのです。
逆にCPIの短所についてお伝えしたいと思います。
CPIの短所
CPIの中にはコアCPIという数値(食料やエネルギー価格を除いたもの)があるがこれを除いて考えるとインフレを誤って解釈することになりかねない。また月ベースでのCPIの数値変動は大きいので一時的に下がってもまた上がる可能性は大きい。
FRBの金融政策の決定に最も影響のあるCPIの数値は投資家にとって最も注目すべきものだということがよくわかります。しかし短所にもあるように月ベースの変動は大きいため惑わされないようにしないといけません。
CPIと株価、為替の関係性は?
インフレの状況下においては、「インフレ退治」が目的のためCPIの指標と金融政策が連動しやすく株価や為替への影響はわかりやすく反映されます。
・CPIが予想を上回る上昇 → FRBは金利を上げると市場が予測 →株価は下落⤵、為替は$ドル高↑
・CPIが予想を下回る上昇(または下降) → FRBは金利を下げると市場が予測 →株価は上昇⤴、為替は$ドル売り↓
※金利と株価の関係については下記の記事を参考にしてください。
まとめ:CPIはインフレ時にFRBの金融政策を動かし世界の株価を左右する指標である!
ここまでCPIについて話をしてきましたので最後にまとめたいと思います。
・CPIとは、米労働省労働統計局(BLS)が都市部の消費者が購入する商品やサービスの価格の変化を調査して指数化したものになります。
・CPIの構成は、住宅関連費用(42%)、交通費用(18%)、食料品(飲料含む)(14%)でおよそ7割を占める。
・CPIの累積グラフから医療、住宅、食品、交通費カテゴリーは一貫して上昇している。アパレルは変わらず。
・CPIの推移(1年、25年、60年以上)から、2022年のインフレは40年ぶりでありその最中にいることを意識した投資手法を取らなければならない。
・1980年 オイルショック(CPIが最大15%)と2022年(CPI 9%台)の比較から、インフレ退治は生半可な取り組みでは解決しない。とことん金利を上げて物価上昇を冷やさないと国民の生活が苦しくなるばかりである。
・CPIが予想を上回る上昇 → FRBは金利を上げると市場が予測 →株価は下落⤵、為替は$ドル高↑
・CPIが予想を下回る上昇(または下降) → FRBは金利を下げると市場が予測 →株価は上昇⤴、為替は$ドル売り↓
CPIという指標はインフレであるときがもっとも注目すべき数値であることがよくわかりました。インフレ率の変動は、低所得世帯、定収入のある世帯、学費や交通費、医療費の比率が高い世帯…といった多くの米国民に痛みを伴う影響を与えるためFRBが躍起になってインフレ退治をしようとしている背景をしっかりと理解して、今後の投資活動に生かすことができるよいですね。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。