最近は、次々に宇宙旅行が開始され新規上場する宇宙関連銘柄は増えています。今までにないビジネスとしての潜在市場として大きく長期的に発展する可能性が高く、将来有望な宇宙産業をテーマにして今回は取り上げたいと思います。
・半導体、ヘルスケア、Fintechと有望なテーマの他にさらに有望なテーマを探している方
・宇宙旅行ブームをきっかけに宇宙関連は10数年後には大きく飛躍すると考えている方
・宇宙への可能性を感じており、宇宙関連銘柄への投資を検討されている方
宇宙!なんか考えるだけでワクワクするわ。夢だと思っていた宇宙旅行や宇宙ビジネス?を現実として考えられるだけでもすごい!!
最近は起業家の人が次から次へと宇宙旅行を開始したり、衛星上でのインターネットサービスを開始したり、宇宙への配送サービスが始まったりと、宇宙とのつながりは増えてきました。今回は、そんな注目の宇宙関連について米国株テーマとして「宇宙関連」を取り上げたいと思います。
この記事を書いている人はこんな人
もしよろしければ、さんぺぐ(@sunpeg1) Twitterのフォローもよろしくお願いします。
宇宙ビジネスとは?
現在の宇宙ビジネスの市場規模と内容
現在の宇宙ビジネスの市場規模は約40兆円であり、その70%以上が宇宙を利用したビジネスとその受信をする設備になります。
下記は、2019年度の宇宙ビジネス市場の割合を出した円グラフになります。
1.宇宙利用市場:35%
衛星データ活用や衛星テレビサービスなど、宇宙を利用したビジネスに関する市場(宇宙利用市場)は全体の35%
2.地上受信設備:35%
衛星放送のアンテナやGPS端末、ネットワーク機器などの宇宙からの受信設備系(地上設備)が全体の35%
3.ロケットや有人飛行:25%
政府機関によるロケットや民間の友人飛行などの非衛星サービスは全体の25%
4.衛星やロケットの製造:5%
衛星の製造やロケット産業は5%程度
宇宙ビジネスの70%が衛星データや衛星テレビなどのサービス利用におけるものが大半ですね。残りの30%がいわゆるロケットや有人飛行、衛星やロケット開発であり、この部分においては政府主導がまだ大きく、これから民間が入りビジネスが始まるターゲットゾーンだということがよくわかります。
今、なぜ宇宙ビジネスが盛り上がってきているのか? 宇宙銘柄も紹介!
では、なぜ今宇宙ビジネスが盛り上がってきているのでしょうか?
1.地上でのサービスや機器のつながりが急増し、宇宙データ活用が爆増!
下記は、デロイトトーマツにて作成された宇宙産業の全体像の図(出典:https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/strategy/articles/cbs/isos-04.html)になります。
大きな流れとしては、低軌道領域・地上サービスを中心に商業化が進んでいます。例えば、自動運転は、衛星からのデータを元に解析し分析して自動車の自動運転走行に活かしているという実例があります。その中では近年盛んに言われている「ビックデータ、AI、IoT」などのデータを用いた活用が急拡大しているのです。つまり、一般のサービスや機器とのつながりで動かす需要が増えたことで、宇宙からのデータ分析、AI解析、IoT技術の需要がますます増えてきているのです。
銘柄例としては、ブラックスカイ(ティッカー:SFTW)とスパイヤー(ティッカーコード:NSH)があります。
両方ともに衛星観測データを提供する会社と言えるでしょう。
代表銘柄 | 説明 |
---|---|
ブラックスカイ(ティッカー:SFTW) | 小型人工衛星から観測したデータを米・国防省などに提供。すでに小型人工衛星は、低軌道上で稼働中。 |
スパイヤー(ティッカーコード:NSH) | 衛星データを低コストで複数の利用者に提供する薄利多売な商売 |
世界中、どこでもいつでもデータを自由に呼び出して活用する流れはこれから益々増えていくでしょうね。それを実現するのが宇宙からの衛星データであり、データ量の拡大と共により正確により早くという流れは間違いなく来るでしょう。
2.小型ロケットや小型衛星の製造需要が急拡大している
宇宙データ活用が爆増!すれば、大型の衛星だけではデータ送信が不足しますので、より地上サービスにきめ細やかにデータを提供できるように、より小型な衛星や小型な衛星を飛ばす小型ロケットの需要が増えてきています。
代表的な企業は、上記ロゴの小型ロケット打ち上げのアストラスペース社(ティッカー:ASTR)や小型ロケットから大型ロケットまで展開するロケットラボ(ティッカー:VACQ)があります。
代表銘柄 | 説明 |
---|---|
アストラスペース社(ティッカー:ASTR) | 低コストで小型の人工衛星を低軌道に打ち上げることを目的にした会社。運送会社に近い地味な企業。 |
ロケットラボ(ティッカー:VACQ) | 小型ロケットから大型ロケットまで展開するロケット打ち上げの会社。今までのロケット打ち上げに関しては一番多くの成功実績がある会社 |
もはや大型のロケットを飛ばして宇宙に行くことよりも小型の手に持てるぐらいのロケットをいくつも飛ばすことができる需要が増加していますね。日本におけるクロネコヤマトや世界のフェデックスのように宇宙の運送会社としてのロケット需要は止まらないでしょう。
3.宇宙体験旅行が現実味を帯び始めている
2021年7月にバージンギャラクティック(ティッカー:SPCE)リチャードブランソンによる宇宙遊覧飛行、Amazon創業者で民間宇宙開発企業ブルー・オリジン(未上場:Blue Origin)を始めたジェフベゾスといった起業家が宇宙に飛び立つということで宇宙体験旅行が夢物語から、現実的な旅行体験へと変わり始めています。
宇宙体験代表銘柄 | 内容 |
---|---|
バージンギャラクティック(SPCE) | 宇宙で無重力体験ができる遊覧飛行を提供 将来は、大陸間の高速移動に応用を検討 |
民間宇宙開発企業ブルー・オリジン(未上場:Blue Origin) | ジェブベゾス氏の個人民間会社であり、まだ未上場企業 宇宙で無重力体験ができる遊覧飛行を提供 将来は、月を目指し大型ロケットや着陸機開発を予定 |
宇宙旅行なんて夢だと思いましたが、二人の起業家が先陣を切ることでこれからどんどん当たり前のものになっていくのでしょう。また地球の大陸間を1時間程度でどこにでも行き来できるようになれば移動に関するストレスはもはやなくなるかもしれませんね。
4.衛星インターネットサービスが2021年本格開始
イーロンマスクが始めた「スターリンク(現在は未独立なためスペースX社)」という企業がスターリンク計画*というものを立ち上げ、2020年10月末から衛星インターネットサービスを提供開始しました。3か月のテストで1万ユーザーを獲得したそうです。2021年からは、アメリカ・イギリス・ドイツ、オーストラリアでインターネットサービスの提供を開始しています。
宇宙体験代表銘柄 | 内容 |
---|---|
スターリンク(現在は未独立なためスペースX社) | 衛星インターネットサービス提供会社 2021年からは、アメリカ・イギリス・ドイツ、オーストラリアでインターネットサービスの提供を開始 料金はアンテナ費用が499ドル、月額99ドル 300億~500億ドルの収益予想 |
まさに日本の携帯会社が基地局を立てるように、イーロンマスクは地球上に回るいくつもの衛星を”インターネットの基地局”として作っていると考えると既に実現に向けて一歩も二歩も進んでおり、すごい発想力だなと感じます。
検討したい宇宙関連の投資信託とETF
現状は、宇宙関連ビジネスは出てきたばかりで個別銘柄が主ではありますが少しずつ投資信託やETFといったものも出てきております。今回は一つずつ簡単にご紹介します。
投資信託:eMAXIS Neo 宇宙開発
設定日:2018年8月6日
資産総額:29億円
信託報酬率:0.79%(税込み)
組入構成銘柄:ヴァージンギャラクティックが1位で8.3%。その他はBOEING等がありますが、約3~4%で分散させています。
ETF:ARKX (ARK Space Exploration & Innovation ETF)
設定日:2021年3月30日
資産総額:6億2千万円
信託報酬率:0.06%
組入銘柄:3DプリンティングのETFが入っていたり、アマゾン、コマツがあったりとまだ宇宙に関係する銘柄は少ないというかほぼないですね。
宇宙関連の投資信託やETFについてはまだ魅力的ではないですね。宇宙ビジネス市場は始まったばかりですのでまずは個別銘柄への投資を検討したほうがよさそうです。
まとめ
ここまで宇宙関連ビジネスについて話をしてきましたので最後にまとめたいと思います。
・現在の宇宙ビジネスの市場規模は約40兆円。その70%以上が宇宙を利用したビジネスとその受信をする設備。
・今、宇宙ビジネスが話題である理由は、下記の4つです。
1.地上でのサービスや機器のつながりが急増し、宇宙データ活用が爆増!
2.小型ロケットや小型衛星の製造需要が急拡大
3.宇宙体験旅行が現実味を帯び始めている
4.衛星インターネットサービスが2021年本格開始
・宇宙関連の投資信託やETFについてはまだ魅力的ではない。宇宙ビジネス市場は始まったばかりであり、個別銘柄への投資を検討したい。
モルガンスタンレーの公表したデータによると宇宙ビジネスは、2040年には100兆円規模になるそうです。そのうちの40%は実は衛星インターネットで40兆円規模と言われています。つまり、衛星インターネットを押さえてしまえば、宇宙産業ビジネスを制すといっても過言ではないでしょう。今後のスターリンクの動きを観察することが宇宙ビジネスの流れをつかむことにつながる気がします。ぜひご検討ください。