・全世界の成長を信じており、広く分散した投資がしたい方
・これ1本で日本、先進国、新興国など全世界の株式に投資をしたいと思っている方
・つみたてNISA、iDeCoでも利用可能な商品に投資したいと思っている方
わかりやすい1本で、つみたてNISAやiDecoで投資をしたいなぁ。
楽天全世界株式インデックスファンド(楽天VT)は、米国はもちろんのこと、日本、先進国、新興国までまるっと約8,800銘柄に1本で投資できる投資信託です。もちろんつみたてNISAやiDecoにも投資対象商品として登録があるので可能です。本日は、この楽天VTについてご紹介したいと思います。
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1.楽天全世界株式インデックスファンド(楽天VT)とは?
楽天全世界株式インデックスファンド(楽天VT)とは全世界の株式市場の動きをとらえることを目指して、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行う投資信託です。
設定日:2017年9月29日
純資産額:1074億円
信託報酬:0.212%
業種別構成比:テクノロジーが21%、一般消費財、資本財、金融、ヘルスケアが10%以上と分散がされています。
国別比率:米国が57%、日本が6%、中国が4%、英国4%と米国が6割弱押さえていますが、その他の4割を広く分散していますね。
組入上位10銘柄:全8800銘柄の中でGAFAM比率が10%程度、その他の銘柄はすべて1%以内と大きく広く分散されています。偏りがあまりありませんね。
楽天VTはとにかくバランスがよく取れていますね。
アメリカに6割弱は投下していますが、銘柄は8000近くに広く分散されておりどの企業成長しても問題ない構造になっています。
下記は、2021年5月31日現在での純資産への月次資金の流入額ですが下記のようになっています。
楽天VTは、コロナ発生から1年後の2021年3月から流入額が急増しており、1か月で40億円規模の流入が続いています。改めて全世界へ投資することの人気が出てきたのかもしれませんね。
2.楽天全世界株式インデックスファンド(楽天VT)のメリットとデメリット
次に楽天VTのメリットについてお伝えしたいと思います。
楽天VTのメリット
現在は、米国一強の時代が続いておりますが、今後20年、30年をみれば、成長著しい中国やインド、ブラジルといった国が大きく伸びていく可能性は高いです。20年、30年の長期投資を考えるのであればこれらの国や幅広い企業を取り込んでおくことはリスクヘッジの面でも有効かと思います。
20年、30年の長期投資を見込むのであれば、iDeco(60歳以上で引出)やつみたてNISA(20年以上で引出)における非課税口座での購入が最適な投資先だと思います。
逆に楽天VTのデメリットについてお伝えしたいと思います。
楽天VTのデメリット
下記は、全世界投資の「楽天全世界株式インデックスファンド(楽天VT)」と先進国の「eMAXIS Slim先進国株式インデックスファンド」と「楽天全米株式インデックスファンド(楽天VTI)」の3年分のトータルリターン比較チャートです。
過去3年のトータルリターンを見ると高い方から並べると下記になります。
1位 楽天全米株式インデックスファンド(楽天VTI) +66.3%
2位 eMAXIS Slim先進国株式インデックスファンド +56.38%
3位 楽天全世界株式インデックスファンド(楽天VT) +49.92%
先進国投資との差はそこまでありませんが、全米株式とはリターンが15ポイント以上の差が出ています。
楽天全世界株式インデックスファンド(楽天VT)は、リスク分散を取るのか、リターンを取るのか難しいところです。とはいえ、リスクを8800銘柄に分散して投資できるのは大きなメリットかと思います。
3.楽天VTと楽天VTIやeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)と比較
楽天VTについては、同じ全世界投資のeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)との比較と人気の楽天VTIとの比較をしてみました。
楽天VT | eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー) | 楽天VTI | |
連動指数 | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
設定日 | 2017/9/29 | 2018/10/31 | 2017/09/29 |
純資産 | 1074億円 | 2266億円 | 3128億円 |
信託報酬率 | 0.21% | 0.11% | 0.16% |
対象国 | 49か国 | 49か国 | アメリカのみ |
対象銘柄数 | 約8,800銘柄 | 約3000銘柄 | 約3500銘柄 |
上記の比較を見てわかることは以下になります。
- 楽天VTとeMAXIS Slim 全世界株式においては、信託報酬率においてeMAXIS Slim 全世界株式に軍配が上がる状況です。純資産額をみてもeMAXIS Slim 全世界株式が設定日2018年と遅いですが楽天VTに2倍以上の差をつけています。
- 楽天VTと楽天VTIにおいては、同じ設定日でのスタートをしていますが、楽天VTIの方が純資産を3倍以上に伸ばしており、またかつ信託報酬率としても安いという結果になりました。
下記は、3つの投資信託商品の3年のトータルリターンを比較したチャートになります。
楽天VTIが、楽天VTやeMaxis Slim 全世界株式よりも大きくパフォーマンスとしては伸ばしている状況です。
リターンを求めるなら、楽天VTIがよいですし、より投資方針として分散を選ぶのであればeMAXIS Slim 全世界株式インデックスファンドがよいというのが今回の比較の結果です。楽天VTは、現状のところさらなるより安い信託報酬に下がっていかないと厳しい状況にはなってくると予想されます。
まとめ:楽天VTを継続するのか?オールカントリーに変更するのか?
ここまで楽天VTについて話をしてきましたので最後にまとめたいと思います。
・楽天全世界株式インデックスファンド(楽天VT)とは全世界の株式市場の動きをとらえることを目指して、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行う投資信託です。
・楽天VTのメリットは、投資対象が成長著しい中国やインドなどの新興国株式を含む49か国、約8,800銘柄と分散効果は大きい。今後20年、30年をみれば、成長著しい中国やインド、ブラジルといった国が大きく伸びていく可能性は高い。楽天VTのデメリットは、全世界株式投資のリターンは、先進国投資や米国株式投資に負けてしまう。
・楽天VTを楽天VTIやeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)と比較すると、リターンを求めるなら、楽天VTIがよい、より投資方針として分散を選ぶのであればeMAXIS Slim 全世界株式インデックスファンドがよい。楽天VTはさらなる信託報酬の下げを期待したい。
楽天VTについては、もしすでにお持ちであるならばリターンはそこまで変わらず、信託報酬率も安い方ですので売却せずにそのまま投資は続けた方がよいと思います。しかし新規で全世界を投資したいのであれば、eMAXIS Slim 全世界株式インデックスファンドがよいでしょう。またリターンを求めるなら全米投資に切り替えて楽天VTIがおすすめです。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。