PFFの記事がおすすめな方
「ポートフォリオの10%ぐらいは高配当投資をして配当金を手に入れたい」と考えている方
「短期的な売り買いは疲れる。一度買ったら長期で保有し続けて不労所得を獲得したい」と思っている方
「SPYD、VYM、HDVについてはよく耳にするが、PFFって何?」と思っている方
この記事を書いている人はこんな人
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高配当株をもつことは配当金という不労所得を持てること。それは精神的な支えになるだよねぇ。非効率とはわかりつつもどこか「安心」が欲しい。
「高配当は非効率!」とよく批判されるけれども、一方で高配当投資は、長期投資で無駄な取引を減らし配当金という実益を得らるメリットが大きい。PFFは高配当かつ毎月分配でもらえるという安心感からとても人気の高い高配当ETFですので、こちらの記事を読みご検討ください。
PFFとは?
PFFとは、 iShares Preferred and Income Securities ETFが正式名称でiシェアーズ米国優先株式ETFといい議決権の無い、500銘柄程度の優先株式を集めたETFになります。それはどういう意味かというと、優先的に配当が得られるので配当利回りがよくなるけれども、議決権などは制限されるということになります。
日本市場では、この優先株式を設定している銘柄は「伊藤園」ぐらいしか聞いたことはありません。投資先の経営には関心はないので議決権はいらないから配当金を多くもらいたいという投資家もいるので理に適ってはいますね。
PFFの概要
設定日:2007年3月26日
純資産額:198億ドル(2兆1780億円)
経費率:0.46%
配当利回り:4.90%
セクター別割合:金融が60%以上で、工業が20%以上とかなり偏りのあるセクター割合になっていますね。
構成銘柄TOP10:Wells Fargo、Bank of America、Citigroupなど、銀行、金融系が多い印象ですね。しかしTOP10を合わせても13%程度ですので、500銘柄に広く分散されていると思われます。
このPFFは、世界3大運用会社であるBlackRock(ブラックロック)のiSharesブランドで運用されており、その点は非常に安心感は高いものです。PFFはそもそも、プロ向けに優先株というものが取引きできるところをETFを通じて個人投資家でも取引できるようにしていることが特徴でもあります。
PFFのメリットとデメリット
次にPFFのメリットについてお伝えしたいと思います。
PFFのメリット
PFFの配当金は毎月(年12回)支払われます。配当割合は5%と近くあり、高配当という部類では満足いく範囲かと思います。毎月小遣いが入ってくるというのはなんとも嬉しいものです。ここがPFFの醍醐味なのかと思います。
逆にPFFのデメリットについてお伝えしたいと思います。
PFFのデメリット
下記はPFFの2010年~2021年までの株価チャートになります。
グラフを見ていただければわかるように、35~40ドル前後で安定して推移しています。コロナショック時には32ドル付近まで落ちましたが基本的には値動きがあまりなく値上がりもない状況です。つまり、キャピタルゲインは狙えないので高値掴みは避けたいですね。
PFFは、金融セクターが60%を占めており、金融危機や信用収縮が起きた場合に大きな影響を受けます。
下記は、2008年~2021年のPFFの株価チャートになります。
株価チャートにあるように、リーマンショック時にはー70%の大暴落を見せていました。
リーマンショック前:50.38ドル(2007/4/10)→リーマンショック後:15.05ドル(2009/3/6)でした。
毎月5%の安定収入は大きいですね。一方で、価格は安定していて、暴落時には弱いこともあり、ディフェンシブな局面では持ってるとつらく投げ売りをしてしまうかもしれないリスクは心のどこかで持っておきましょう。
PFFとPFFDと比較
PFFとほぼ同様の高配当な米国優先株ETFで「PFFD」というものがあります。
運営会社はGlobalX社運営しており、2017年と比較的最近にできたETFになります。PFFとPFFDを次では比較をしてみたいと思います。
比較項目 | PFF | PFFD |
---|---|---|
運用会社 | BlackRock | Global X |
設定開始日 | 2007年3月26日 | 2017年9月13日 |
純資産額 | 198億ドル | 24億ドル |
銘柄数 | 509(金融系が60%) | 259 (金融系が60%) |
信託報酬 | 0.46% | 0.24% |
配当利回り | 約5% | 約5% |
配当月 | 毎月 | 毎月 |
・最も大きな違いは、信託報酬率がPFF(BlackRock)が0.46%であるのに対し、後発のPFFD(Global X)の信託報酬率は0.24%と約半額になっている点です。
・PFFはPFFDと比較して設定開始日が10年近く早く運用期間が長いことやBlackRock社の運用会社の信用力があります。
BlackRock社は超大手で圧倒的であり、相対的にGlobal X社は小規模で若い会社となるため、”金融危機”においてはBlackRock社の方が財務面や開示情報の量および質において安心感があります。
・PFFは純資産額がPFFDの約10倍近くあることから暴落時に売りたい価格で早急に売却できる流動性の高さがあります。
PFFとPFFDの過去5年の株価チャートは以下になります。
過去5年をみると、PFFDが、PFFのリターンをやや上回っていることがわかりますが優先株ETFということで動きはほぼ同じではあります。これは、PFFDの信託報酬の低さが影響しているのかもしれません。
・信託報酬率の低さ、株価リターンではPFFDに軍配
・安心感や流動性の高さではPFFに軍配
どちらも甲乙つけがたい結果ですね。とはいえ、これから成長をしていくETFを考えれば信託報酬率が低いことは大きなメリットですのでPFFDがやや有利といってもよいのかもしれません。
まとめ:高利回りで毎月分配は早期リタイヤの支えになる
ここまでPFFについて話をしてきましたので最後にまとめたいと思います。
・ PFFとは、 iShares Preferred and Income Securities ETFが正式名称でiシェアーズ米国優先株式ETFといい議決権の無い、500銘柄程度の優先株式を集めたETFになります。
・ このPFFは、世界3大運用会社であるBlackRock(ブラックロック)のiSharesブランドで運用されており、その点は非常に安心感は高いものです。
・ PFFのメリット は、 毎月5%近くの配当金が安定的に入るインカムゲインが大きい 。
・ PFFのデメリットは、 株価の値動きが非常に小さく、値上がりはしないのでキャピタルゲインは狙えない。 また暴落時に弱くディフェンシブ面は期待できない。
・ PFFとPFFDと比較すると、 信託報酬率の低さ、株価リターンではPFFDに軍配。 安心感や流動性の高さではPFFに軍配が上がる。
・ ただし、これから成長をしていくETFを考えれば信託報酬率が低いことは大きなメリットですのでPFFDがやや有利といってもよいのかもしれない。
毎月分配で5%近くの高利回りは給料のような感覚で嬉しいですよね。
投資を続けるコツはモチベーションの維持ですのでPFFやPFFDもポートフォリオの一つとして上限10%未満で加えることでそのモチベーションは続く可能性は大きいと思います。また早期リタイヤを考えている方においては、毎月お金が入る入金先を押さえておくと一つの手段としては大きな支えになるかと思います。ぜひPFFやPFFDについてはご自身の一つの投資対象として検討をしてみてください。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。