株取引で損失したお金は「損失の繰り越し控除」(節税)で税金分は取り戻せる!

  • URLをコピーしました!
こんな方におすすめの記事

初めて株取引をして損失を抱えてしまい少しでもお金を取り戻する方法を知りたい方
・株取引が初心者で、税金や口座種別についての理解を深めたい
・少しでも株取引をする上で節税の方法を勉強したいと思っている方

子羊
子羊

わぁー株で損失を抱えてしまったー!この損失分は少しでも戻ってこないんだろうか?そもそも僕の口座は何口座扱いだっけか?? 確定申告!?ってするとお金が戻ってくるとうわさで聞いたけどなんだか面倒そうでそのまま放置してしまいたい…

さんぺぐ
さんぺぐ

株取引は、取引をして利益を上げた場合には税金を払う必要があります。しかし損失になってしまった場合は、自分で何かをしない限り、マイナスを抱えるだけになります。
この記事では、株取引と税の関係を理解をしつつ、どうしたら株の損失分を少しでも”節税”として適用できるかを解説したいと思います。

目次

株取引で損失したお金は「損失の繰り越し控除」(節税)で税金分は取り戻せる!

1.株売却における開設口座の種類と税金の取り扱いについて

まず、証券会社で開設できる口座には大きく分けて、「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」の3種類あります。※別途NISA口座(非課税口座)もありますが今回は課税口座として初めて口座を開く際の3種類を取り上げます。

なぜ、このように分かれるかというと、証券会社で取り扱う金融商品の利益をどのように申告して、税金を納めるかによって、口座を分ける仕組みがあるからです。

株式・投資信託等に投資すると、保有期間中に受け取れる配当金、売却時に購入価格より高いと譲渡利益という利益が受け取れます。1年間の株取引で出た利益には、税金がかかります。その利益には、税率は20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)が他の所得と分離されて課税(分離課税)されます。

下記では、この税金をどのように納付するのかについて口座別に分けて解説します。

株式取引と確定申告の関係

特定口座(源泉徴収あり)

特定口座(源泉あり)とは、証券会社等で売却損益・税金を計算して、税金を売却代金から差し引いてくれるので、確定申告は不要です。

確定申告が不要でラクだというメリットの反面、投資を頻繁に行う人にとっては、利益が出るたびに税金が引かれるため、その分資金効率が悪くなる点がデメリットといえます。

特定口座(源泉徴収なし)

特定口座(源泉なし)は、証券会社等で売却損益・税金を計算まではしてくれますが、税金の計算や納税まではしてくれませんので、利益が出た場合には原則として確定申告をする必要があります。年間トータルで損失だった場合には確定申告をする必要はありません

ただし、給与所得者で年収2000万円を超えていない人は、年間の利益が20万円未満であれば、確定申告は不要

この口座のメリットは、税金が引かれないことでの資金効率のよさで、デメリットは申告のわずらわしさといえます。

一般口座

一般口座の場合は、証券会社からは売買ごとの売買報告書のみで、年間取引報告書は送られてきません。特定口座(源泉徴収なし)と同様に、年間の利益が20万円を超えたら、自身で年間取引報告書を作成して、確定申告をする必要があります。

手続きが面倒なため、この口座を選択している人は少なくなっています。

確定申告とは?

確定申告とは、1年間(1月1日から12月31日まで)の所得金額から計算した税金を、納税者が自ら計算して納付する制度です。翌年の2月16日から3月15日までの間に、所轄の税務署に確定申告書を提出する必要があります。

さんぺぐ
さんぺぐ

9割近くの多くの方は、「特定口座(源泉徴収あり)」の口座で開設していており、この場合は証券会社側で株の利益に対する税金の徴収を実施しています。その他の「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」については別途ご自身で確定申告を実施する必要があります。

「特定口座(源泉徴収あり)」であれば、何もする必要がないのか?というと、そういうわけではなく、まさに株取引で損失が出た場合には基本的に確定申告をしたほうが得をする!と考えるべきだと思います。次のコーナーでその点を解説します。

2.株取引で損をした!場合に取るべき3つの方法

black Android smartphone near ballpoint pen, tax withholding certificate on top of white folder

「特定口座で源泉徴収あり」にしていれば、同じ証券口座内であれば、1年間分は証券会社側で損益計算(利益と損失を相殺はしてくれます。つまり納める税金の算出は自動的に損失も考慮されて証券会社から納税されるわけです。
でも違う証券口座(例えばSBI証券と楽天証券等)を跨(また)いで「損益計算」をすることや1年を超えて3年間まで損失を繰り越して計算する場合は「繰越控除」という特例があり、確定申告することで適用がされて、“節税”することができるのです。

ここでは、9割の人が開設している「特定口座(源泉徴収あり)の場合」について株取引で損を出したときに取りたい行動のパターンを3つ出したいと思います。

株で損を出したときに取りたい行動3パターン

1.同じ証券口座内で1年間の中で損失と利益を相殺できる場合 
  →確定申告不要

この場合は、証券会社が自動的に損失と利益の相殺を計算してくれるため、最終的に1年間で損失を利益が上回る状況にできれば問題ありません。この損益計算の履歴の確認方法については各証券会社によって異なるので「〇〇証券会社 損失計算」などで検索して必ずよくチェックをしておきましょう。(場合によっては損失が出てしまったまま年末を越してしまうことも多いため)

2.違う証券口座間で1年間において損失と利益を相殺したい(損失計算したい)場合
  →確定申告必要

ご自身お持ちのある証券口座で損失が出た場合には、その他の証券口座では利益を出した場合には、トータルで損益通算をすることができます。もちろん、その他の証券口座での利益がある証券口座での損失を上回っていれば確定申告することでその金額は還付(戻る)されます。

3.1年を超えて、最大3年まで損失と利益を繰り越して相殺したい場合
 →確定申告必要

口座内の損益が年間トータルで損失だった場合においては、1年を超えて、最大3年間は繰り越してその損失をその年、その年で出た利益で相殺していくことが可能です。損失がなくなるまで毎年確定申告をし続ける必要があるのでその点は注意してください。
※繰越控除を受けるためには、取引がない年があっても、毎年確定申告書をする必要があります。

例えば、dある年に株式の売買で400万円の損失を被ってしまった場合には、「譲渡損失の繰越控除」の確定申告をすることで、その翌年に100万円の利益がでれば、前年の損失分を控除することができます。2年目に利益がさらに100万、3年目に200万の利益がでれば、損失は0円となります。その年の損失は3年間は引き継ぐことができるのです。

さんぺぐ
さんぺぐ

私は最近まで恥ずかしながら証券会社における損失計算の履歴の存在を理解していませんでした…入金履歴に「譲渡益税還付金」というものが時々入金されるのを見て、これは何の?お金が振り込まれたのだろうと…配当金みたいなものかな!?とトンデモナイ勘違いをしていました。たとえばSBI証券であれば、証券会社から送られてくる交付書面(郵送)または電子交付書面で閲覧が可能ですので必ず目を通してチェックしておきましょう。

3.損益通算対象の金融商品とは? 外国株式とも損益通算の計算はできる!

fan of 100 U.S. dollar banknotes

さて、損益通算される対象の金融商品は以下になります。

損益通算対象の金融商品について

・日本株(上場株式、ETF・REIT)、外国株式・海外ETF、投資信託、信用取引、債券、個人向けの国債

株や投資信託などの売買による損益は譲渡所得、配当金や分配金は配当所得、債券の利金は利子所得の対象となります。

金融商品とは損益通算対象外の金融派生商品について

デリバティブと呼ばれた「金融派生商品」(将来における売買の約束等)については、上記の金融商品とは別でデリバティブグループ内での損益通算をする必要があります。

  • 先物・オプション取引
  • くりっく株365
  • FX(外国為替証拠金取引)

    ※これらは、すべて雑所得扱いになりますので給与所得者で年収2000万円を超えていない人は20万円超えるようであれば、確定申告が必要になります。
さんぺぐ
さんぺぐ

昨今、日本における株式の成長性は衰退気味であり、多くの方が米国株式への投資を開始しているかと思います。そんなときに海外株式についても損益通算対象になるのはいいですね。とはいえ、米国株式取引は配当金に関しては日本の税金20.315%に加えて米国での税金10%はさらにかかりますので30.315%もの税金が利益に対して発生してしまうのは痛いです。そんなときには「外国税額控除」という方法で、確定申告をすれば、10%分は還付(戻る)できますのでぜひ利用しましょう。

まとめ:証券会社によって確定申告のサポートが全然違う!ので要確認

まとめ

1.株式口座には、課税口座として「特定口座(源泉徴収あり)」「特定口座(源泉徴収なし)」「一般口座」の3種類がある。株式・投資信託等に投資した利益(配当金と譲渡利益)に対しては20.315%の税金がかかる。

2.株で損を出したときに取りたい行動は3つあり、そのうち、違う証券口座間で1年間において損失と利益を相殺したい場合と、1年を超えて、最大3年まで損失と利益を繰り越して相殺したい場合については確定申告をして節税できる体制を整えよう。

3.損益通算対象の金融商品については、日本株(上場株式、ETF・REIT)、外国株式・海外ETF、投資信託、信用取引、債券、個人向けの国債があり、外国株式(特に米国株式)も含めて損益通算は可能である。

さんぺぐ
さんぺぐ

株取引をすることは、ある一定のルールの中でお金のやり取りをしているようなものなので税金との関係性はきってもきれない関係です。利益がでれば強制的に国は税金を取りにきますが、損失を被れば自分で取り返さないと国は何もしてはくれません。

確定申告というアクションを起こすことでしっかりと税金を取り戻す行動をとれるかどうかで大きな差が生まれてくるのだと思います。

確定申告自体は、面倒な作業が多少あるかもしれませんが節税ができるのであれば、ぜひにやるべきことだと思います。

各証券会社によって、この確定申告についてのマニュアルや表記は様々な状況ですのでぜひチェックはしてみましょう。常にシステム上で利益と損失額の合算を計算して表示してくれる証券会社があれば、電子書類の閲覧でのお知らせするところだけの証券会社もあります。大事な部分ですので、通常の株取引以外にもこういったところはよくチェックしましょう。

もしよければ応援クリックをお願いします。
皆様の投資にお役に立てる記事を書きます。


にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

米国株ランキング

FC2 Blog Ranking
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次