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「米国がインフレ局面で不動産価格上昇し、米国不動産への投資が気になる方」
「REITや米国不動産のETFについて知りたい方」
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最近、日本の不動産価格はどんどん上がっているわね。アメリカの不動産市場はどうなっているのかしら?
アメリカの人口は年々増加しており、毎年の人口増加率は0.66%となっています。(日本は逆に▲0.7%の減少率)その分、当然住まいが必要なわけで経済と人口の成長を背景にコロナ禍を経験した2020年も含めて不動産価格も上昇し続けています。今後インフレが加速してい行く中では不動産に関わる株の上昇も期待されており、その意味で不動産ETFのIYRは注目ですね。
アメリカの不動産はコロナ禍でも上昇基調!?その理由は何?
アメリカは総人口は3億3000万人と日本の人口の3倍規模で、先進国の中でも珍しく人口が増加(年平均+0.66%)している国です。そもそも人口が多くて、増加していることもあり、当然のことながら住宅需要は毎年毎年増えています。しかも2020年はコロナで経済は冷え込んでいたにもかかわらず、2020年1月から11月までの間に、アメリカ不動産は全米で10%以上値上がりしました。
コロナ禍でも不動産価格が最高値に上昇
米国内での住宅価格動向を見る上でファイサーブ社が算出しS&P社が発表する一般的な指数と言われる「ケース・シラー住宅価格指数」というものがあります。
下記は、2000年1月~2021年1月までの S&Pケース・シラー住宅価格指数 になります。
2000年以降は2006年まで大きく伸びており、リーマンショックによる影響から急激に下がり始め、2012年に底を迎えています。その後は上昇傾向を続けており、2012年~2021年までは価格が安定的に上昇してきました。2021年に入り記録的な伸び率を毎月記録しています。2021年1月のケース・シラー住宅価格指数は242.98となり、前年同月比11.1%の伸び率となり、2006年2月以来(リーマンショック以来)の高い伸び率を記録しています。
次になぜ2020年のコロナ禍にも関わらずこれほど不動産価格が上昇したのかの理由について2つお伝えしたいと思います。
コロナ禍上昇理由1.歴史的にも超低金利水準に
アメリカの政策金利を決定しているFRBは、コロナウイルスの感染拡大で影響を受けている経済を浮揚する目的で、大幅に利下げに踏み切りました。
2020年2月には年1.58%だった金利が3月には0.65%へ引き下げられ、4月にはさらに0.05%まで引き下げられました。その後は0.1%前後を推移しています。アメリカでは、FRBが従来の10分の1以下まで金利を下げたことによって、住宅ローン金利が大幅に下がっています。低下した住宅ローン金利が、アメリカ国民の住宅需要を引き上げている状況です。
コロナ禍上昇理由2.住宅需要ニーズの増加 仕事場がオフィスから住宅へ(WFH増加)
これまでは多少狭くても都心に立地する物件へ人気が集まっていましたが、テレワークによる生活環境の変化から2020年は郊外の広い家を求める人が増えました。ニーズの変化は住宅の買替えや購入を後押ししています。住宅ニーズの変化が大きく住宅需要への増加を引き起こしているのだと思われます。
アメリカの不動産は大半が「戸建て」ですが、その中でも中古住宅のシェアが80%程度です。(日本は逆に中古は15%程度でほぼ新築が大半)
このように、アメリカの住宅流通市場は日本とは異なり、新築住宅供給量が少ないため市場での競争力が維持されやすく、全体の相場も上昇しているということがわかります。つまり今後もアメリカの住宅市場は活況を維持し続ける構造になっているといえるでしょう。
次に、ではアメリカの不動産を購入することは難易度が高いことから下記ではアメリカの不動産に間接的に投資が可能なETFがございますのでご紹介をしたいと思います。
IYRとは?
IYRとは、世界最大の資産運用会社ブラックロックが組成する「米国リート含む不動産セクター114銘柄に分散投資できるETF」です。
概要:IYR
設定日:2000年6月19日
純資産額:72億ドル
経費率:0.41%
配当率:3%程度
組入銘柄割合:AMERICAN TOWER REIT CORP(通信インフラに投資をしているREIT)が8%、PROLOGIS REIT INCが7%、CROWN CASTLE INTERNATIONAL REIT CO(通信インフラ系REIT)が5%と上位10社を集めて全体114銘柄のうちの40%程度にはなるのでそこそこTOP10の割合としては大きいですね。とはいえ、ほとんどがREIT(不動産の投資信託)ですのですでに分散されたものを上位で購入していることにもなりますので安心です。
IYRは、投資対象のREITは80を超えています。組み入れ銘柄のほとんどがREITであり、かなり幅広く不動産市場に対して投資ができることが特徴になるでしょう。一方でSimon Property Groupのようなショッピングセンターやアウトレットモールの保有・開発・リースを実施するアメリカ最大の商業用不動産事業者も投資対象には入っています。
IYRのメリットとデメリットとは?
次にIYRのメリットについてお伝えしたいと思います。
IYRのメリット
実は、先進国の中で人口が成長している国は数少ないです。アメリカとオーストラリアの2か国程度です。
日本の証券会社からは、米国のREITを直接買い付けることはできませんので、ETFという形で米国の不動産高をまるっと購入できる魅力は大きいですよね。
下記は、2021年年初~2021年11月現在までのIYRとS&P500の代表ETFであるSPYの比較をした株価チャートになります。
ほぼ一貫して、S&P500を上回るパフォーマンスで推移していますね。2020年度末のワクチン接種からアフターコロナに入っていく段階になり2020年に控えていた住宅購入も2021年に関しては活発化している傾向が見えますね。まさにインフレが加速している時期ですので、そのようなときには不動産の価格はどんどん高くなりますしその価値は高まりますのでそれがIYRのETF株価にも表れているの感と思われます。
分配金は配当利回り3%前後と決して高くはありませんが、中程度と不動産だからこその配当があるのが魅力的で長期で持つならこの配当金をもらえるメリットは大きいですね。
逆にIYRのデメリットについてお伝えしたいと思います。
IYRのデメリット
下記は、経費率に関して全米投資の代表格であるVTI、有力ETFであるVGT(テクノロジー)、VHT(ヘルスケア)と比較してみました。
ティッカー | 経費率 |
VTI(全米投資) | 0.03% |
VGT(テクノロジーETF) | 0.10% |
VHT(ヘルスケアETF) | 0.10% |
IYR(不動産ETF) | 0.45% |
こうして並べてみても不動産セクターのETFであるIYRは若干高いイメージがありますね。
とはいえ、0.5%を下回るレベルですので投資可能な範囲かとは思います。
下記はIYRの設定日から2021年11月までの長期株価チャートになります。
チャートを見ていただければわかるように2008年9月のリーマンショック時には最大で―76%の下落でした。また暴落前の最高値である92ドルに戻るのに10年6ヶ月を要して2019年9月頃にやっと回復できました。また2020年3月のコロナショック時はー42%ダウンでこちらも下落時率はSPYよりも深いですが1年程度で株価は戻っています。
リーマンショック時のIYRの暴落は、そもそもがサブプライム住宅ローン危機といった、住宅関連の金融危機に起因するものだったこともあり大きな影響をそのまま受けましたね。コロナショックに関しては関係のないところでの影響ですのでショック時は大きいですが回復も早かったです。
IYR(ブラックロック社)とVNQ(バンガード社)の比較について
IYRと同じ不動産ETFとしては、大手バンガード社運用のVNQ(Vanguard Real Estate ETF)と及び全世界向けのREIT運用グローバルリートETFのREETを比較をしてみました。
IYR(米国) | VNQ(米国) | REET(全世界) | |
運用会社 | ブラックロック | バンガード | ブラックロック |
設定日 | 2000年6月19日 | 2004年9月29日 | 2007年8月14日 |
純資産額 | 72億ドル | 466億ドル | 34億ドル |
経費率 | 0.41% | 0.12 % | 0.14% |
組入銘柄数 | 米国の114銘柄 | 米国の168銘柄 | 世界の313銘柄 (実際は7割が米国) |
大手日本のネット国内証券会社取り扱い | 楽天、SBI、DMM | なし | なし |
上記比較結果を検証してみると・・・
・VNQが純資産残高400億ドル越えで一番多く、かつ経費率が0.12%と低く168銘柄と分散も効いており最も投資先としては優れていると思われます。ただし、日本の大手ネット国内証券会社では取り扱いがないため購入することが難しい状況です。その中で唯一IYRについては日本で購入が可能な不動産ETFとなっています。
多くのセクターETFについてはバンガード社が優れており日本でも販売しているのでぜひ不動産ETFのVNQに関しても販売してもらいたいところですね。
まとめ:インフレでさらなる不動産価格上昇の可能性は拡大!
ここまでIYRについて話をしてきましたので最後にまとめたいと思います。
・ アメリカは総人口は3億3000万人と日本の人口の3倍規模で、先進国の中でも珍しく人口が増加(年平均+0.66%)リーマンショック後の2012年に底を迎えた後は一環して不動産価格は上昇傾向。
・ 2020年はコロナで経済は冷え込んでいたにもかかわらず、2020年1月から11月までの間に、アメリカ不動産は全米で10%以上値上がり。さらに2021年1月は最高値を更新。
・ IYRとは、世界最大の資産運用会社ブラックロックが組成する「米国リート含む不動産セクター114銘柄に分散投資できるETF」です。
・ IYRのメリット は、 米国という人口成長国で、資本市場が整備された国の不動産(REIT)をまとめてETFで購入できる点が魅力。インフレに強く、2021年のパフォーマンスは+32%とS&P500を上回る。
・ IYRのデメリットは、 経費率が0.41%と他のセクターETFと比較して若干高いことや リーマンショック時-76%暴落、コロナショック時-42%暴落とショック時には弱い こと。
・ IYR(ブラックロック社)とVNQ(バンガード社)の比較 すると VNQが純資産残高400億ドル越えで一番多く、かつ経費率が0.12%と低く168銘柄と分散も効いており最も投資先としては優れている 。 しかし、その中で唯一IYRについては日本で購入が可能な不動産ETF である。
インフレ局面において現在の不動産価格はリーマンショック以来の最高値まで上昇してきています。インフレでなくても米国は人口増加国であり移民も多数受け入れていることからまだまだ住宅に対する需要はますます今後も増加していくと思われます。実物の不動産は持てなくても、REITという形でETFを持つことでポートフォリオの一つとして持つことを検討してもよいかもしれませんね。ぜひご検討ください。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。