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「インフレ(モノやサービスの価値があがる)期待の際にどんな投資をしたらよいのかを知りたい方」
「エネルギー需要高を捉えて、大きく資産を伸ばしたい方」
「コモディティではなく、株式としてエネルギー銘柄にレバレッジを掛けて投資したい方」
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最近、ガソリン価格が急上昇!なぜこんなにもエネルギーが価格が上がっているのかわからない。あとはインフレってなに?今、デフレの日本でも多少モノやサービスの価値が上がってきているのはなんとなくわかるけどどうなっているの?
インフレは需要が供給を上回ることであり、モノやサービスの価値があがることを言います。そうなればその供給元であるモノやサービスを創り出すためのエネルギー需要が高まるわけでそこで注目なのが今回のエネルギーETFである「ERX」を取り上げたいと思います。
インフレが引き起こすものとは?~今、石油が必要な理由~
インフレとは「モノやサービスの値段が上がり続ける状態」のことをいいます。
現状は、2021年末において一時的なインフレが発生していると言われており、2020年のコロナによって外出が抑制されたこともあり、2021年はワクチン接種も進み、皆が外へ移動する、外出する機会が増えてリオープニングの段階に入っています。
そんな中で多くの人々はみな飛行機や船で旅行もしたいし、遠くへも出かけたい、外食もしたいし、多くの仲間とも会いたいと思うわけです。移動=エネルギーが必要になるわけでその需要が高まって来ているのがまさに今だと言えるかと思います。
インフレ時に最も注目すべき米国指標である「CPI」について詳しく知りたい方は下記を合わせてご覧ください。
現在燃料電池や太陽光などのクリーンエネルギーが注目を浴び、今後石油にとって代わられのではないかと言われています。実際にヨーロッパや日本では10-20年後にはガソリン車の製造禁止する流れもあり、クリーンエネルギーの開発・投資は加速してるのは事実です。しかし、それは先進国だけの話であり、今後人口増加・経済発展が見込まれるインド・東南アジア・メキシコなどでは、やはり安価な石油が使われ続けるわけです。
石油はシェアは減るかもしれませんが、低コスト・高品質・量産化のメリットを考えれば最も利用されるエネルギーの王様であることは変わりがありません。
ちなみに、現在、原油価格の代表的な指標の一つである「WTI原油先物」については下記のチャートにあるようにこの1年間でグングン上昇しておりその価格は日々上がってきています。
下記は、WTI原油先物の1年間の株価チャート(2020年11月~2021年11月)になります。
2020年11月株価は「42ドル」でしたが、2021年11月の現在では「82ドル」付近まで上昇を続けており約2倍の伸びとなっています。
石油はやはり100年以上使用経験・ノウハウがあるため、安い・液体なので運搬が楽・いろいろな製品に加工できるなどメリットが大きいです。
コロナからの解放で人類大移動が起これば、当然そこにものすごいエネルギーが必要になるわけでまだまだこれからグングン伸びる時期だと想定されます。
エネルギー業界についてより詳しく全体感を知りたい方は合わせてこちらの記事をご覧ください。
ERXとは?
ERXとは、正式名称は「Direxion Daily Energy Bull 2X Shares Direxion(デイリー エネルギー株 ブル 2倍 ETF)」と言い、エネルギー・セレクト・セクター指数(約20銘柄程度)の運用実績の2倍の日次投資成果を目指し運用されたETFのことになります。
ERXの概要
設定日:2008年11月6日
純資産額:6億2千万ドル
経費率:0.95%
配当率:2.03%
構成銘柄TOP10:エクソンモービルが22%、シェブロンが20%とTOP2位で40%以上を占めています。TOP10で70%程度を占める割合ですので、20社程度の投資先とすれば集中投資したETFであるといえるでしょう。
エクソンモービルが22%、 シェブロンが20%で40%以上ということでこの2社の株価動向がほぼERXの株価を決めるといってもいいのではないかと思います。またエネルギー会社は配当が高いこともありレバレッジETFのERXであっても2%近い配当率になっていることは注目ですね。
ERXのメリットとデメリット
次にERXのメリットについてお伝えしたいと思います。
ERXのメリット
昨年の2020年11月のコロナワクチンが出始めたときからERXの株価は1年間で+73%の上昇をしています。
現在、コロナは減少し、世の中のリオープンの時期を迎えており相場としては需要が高い業績相場へと入ってきています。
当然、経済が動き出せば、エネルギーの需要は高まりますので、こうした景気が強い業績相場ではERXは大きく上昇相場に入っていくといえるでしょう。
基本的にはレバレッジETFですので、主にキャピタルゲイン狙いではありますがエネルギー銘柄に投資していることもあり、配当率が2%程度と比較的高いETFになっているためインカムゲインも獲得することが可能だと言えるでしょう。
逆にERXのデメリットについてお伝えしたいと思います。
ERXのデメリット
現在は、テーパリングからの業績相場と世の中のリオープンの雰囲気から大きくエネルギー需要に従い株価は上昇していますが、一方で2020年3月頃のコロナ発生時期は、移動が制限され一時的に原油価格がマイナスという時期さえもありました。経済が活発化する局面ではエネルギーが必要になり、景気が後退していく場面では行動や消費が抑制されエネルギー需要が減り始めます。このことからERXのようなETFは、市況の動向をつぶさに観察することが求められると考えられます。
逓減性とは、何もしなくてもその価値が落ちていってしまうことをいいいます。他のレバレッジ商品と同様に、株価が停滞および下降していくと1日に対するレバレッジが2倍かかりますので、下降する量も2倍になり、どんどんその投資金額は目減りしていってしまうことになります。
株価上昇は創るものではなく、その上昇の波に乗るものだと言われますが、コモディティ(現物)と言われるものに大きく連動しがちなエネルギーETFのERXは特に世の中の需要や市況動向を見極めて乗る(=投資する)ことが重要ですね。
ERX以外のエネルギー関連ETF(VDE、XLE)との比較
ERX以外のエネルギー関連ETFについては代表的なものとして、バンガード・米国エネルギー・セクターETF「VDE」とエネルギー・セレクト・セクター SPDR ファンド「XLE」がございます。
ERX | VDE | XLE | |
設定日 | 2008年11月6日 | 2004年9月29日 | 1998年12月22日 |
純資産額 | 6億2千万ドル | 61億ドル | 281億ドル |
経費率 | 0.95% | 0.10% | 0.12% |
配当利回り | 2.03% | 4.55% | 4.12% |
特徴 | 大手エネルギー関連会社20社程度。採用銘柄の多くは、XLE・VDEと重複。日々の値動きがXLEの2倍の値動きになるように設計されている。 | アメリカのエネルギーセクターの大型・中型・小型株を97社に分散投資。100社近い企業に分散しているため安心。配当利回り4 %台と高い。 | S&P500指数採用銘柄の中から、エネルギー関連の20社程度の銘柄を選別しています。S&P500採用銘柄ですので安定していますし、配当利回りも4%を超えていますので、配当金狙いでもOK。 |
・VDEは100社近いエネルギー企業に投資していることもあり分散性が効いているETFだといえるでしょう。
・XLEは圧倒的な純資産額ですね。S&P500銘柄から選んでいることもあり比較的に安心できるETFです。
・ERXは2倍レバレッジによるボラティリティが高い投資に向いていますね。
下記はERXとXLE、VDEの直近1年間の株価チャートです。
ここ1年間をみると、非常にズンズン伸びていますね。やはり2020年の12月からワクチンが開始され、2021年に至ってはアフターコロナが想定される中でエネルギ―需要が伸びています。
2021年はワクチンが行き渡り、モノからサービスへの価値の需要が移行し始めると様々な場所へ移動するエネルギーが必要となるためエネルギー需要が高まっていると思われます。ERXは強く伸び始めているときなので、こうした時期はエネルギーETFは伸びる時期ですね。
まとめ:旅行もホテルもクルーズもエネルギーがすべてのインフレの”根源”になる
ここまでERXについて話をしてきましたので最後にまとめたいと思います。
・ インフレとは「モノやサービスの値段が上がり続ける状態」のこと。 現在、移動=エネルギーが必要になるわけでその需要が高まって来ているときはインフレが強くなる。
・クリーンエネルギーは先進国だけの話で 今後人口増加・経済発展が見込まれるインド・東南アジア・メキシコなどでは、やはり安価な石油が使われ続ける。
・ ERXとは、正式名称は「Direxion Daily Energy Bull 2X Shares Direxion(デイリー エネルギー株 ブル 2倍 ETF)」と言い、エネルギー・セレクト・セクター指数(約20銘柄程度)の運用実績の2倍の日次投資成果を目指し運用されたETF のこと。
・ 構成銘柄は、エクソンモービルが22%、シェブロンが20%とTOP2位で40%以上を占めている
・ ERXのメリット は、 景気が強い業績相場においてERXのパフォーマンスは高い(1年間で+73%の上昇)
・ ERXのデメリット は、 原油価格の需要次第(市況次第)で短中期的に株価が形成されがちであること
・ ERX以外のエネルギー関連ETF(VDE、XLE)との比較 すると XLE・VDEは、低い経費率で高い配当利回りなので、中長期投資向きで、ERXは高い経費率で低い配当利回りなので、短期投資向きです。
株は相場サイクルを意識することが重要で、現在は好況期に該当する中で人々が景気の強さからどんどん活発的になって動き出す局面です。
旅行する際には飛行機や車やクルーズとエネルギーが必要になりますし、飲食やホテルもサービス提供する上では電気ガスなどもエネルギー利用が活発化します。つまり、消費行動の活発化=エネルギー利用の活発化に結び付くためこのインフレ局面においてはエネルギーは最も根源的な必要不可欠になるものだと私は思います。
それゆえに中短期的にERXについてはぜひ投資をご検討いただければと思います。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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